2016年10月26日水曜日

「大阪万博」へ本腰、なるか五輪→万博“高度成長”の方程式!!


会場跡地は「カジノ」転用も視野、広がる関連銘柄の裾野

 安倍政権が、2025年の国際博覧会(万博)の大阪誘致に向け、立候補の調整に入ったことが伝えられた。誘致が実現すれば国内では2005年に開催された愛知万博(愛・地球博)以来、20年ぶりとなる。目先的には20年の東京五輪の成功が大命題だが、万博を開催することで世界の関心を引き続き日本に向けさせることが可能になる。誘致に向けた動きが具体化すれば、 東京五輪と同様に株式市場で万博関連が息の長いテーマになりそうだ。

 万博の大阪誘致については日本維新の会代表でもある松井一郎大阪府知事が中心となり14年9月から経済活性化の狙いで検討に入っている。蜜月関係とも言われている菅義偉官房長官に繰り返し協力を求め、その後、経済産業省が年内にも2025年の万博について大阪府への誘致の是非を検討する有識者会合をつくることが伝えられた。世耕弘成経済産業相が21日に関西経済団体のトップと会談し、地元経済界の意欲などを見極めた後に国としての検討が必要かどうかを判断することが報じられている。松井知事は24時間開催を検討していることも明らかにしており、関西国際空港からの外国人観光客誘致にも意欲を見せている。

●高度経済成長時代、「東京五輪」「万博」開催の記憶

 大阪で万博が開催となった場合、1990年に大阪市鶴見区の鶴見緑地で特別博として開催された国際花と緑の博覧会以来で、一般博では吹田市で1970年に開催された日本万国博覧会以来、実に55年ぶりとなる。1964年に東京五輪が開催されその6年後に大阪万博が開催。日本は高度経済成長を走り抜けた。東京五輪後に大阪万博を開催することで、高度経済成長を再現したいという願いもある。

 大阪での万博開催候補地には吹田市での万博記念公園での再開催を含めて複数案が示されていたが、府は最終的に大阪湾岸の人工島である夢洲(大阪市此花区)で一本化した。夢洲はもともと大阪五輪の会場や選手村にする計画だったが誘致に失敗、再開発も進まず負の遺産としてその処理が課題となっていた。大阪府では万博を大阪に誘致するための基本的な構想をとりまとめるにあたり、有識者や行政、経済界から、専門的な見地から意見を幅広く聴取するため、「2025年万博基本構想検討会議を設置して議論を行っている」(大阪府政策企画部 企画室政策課 政策グループ)としており、そのなかでは全国へもたらされる経済波及効果(試算値)を、約2.3兆円、間接的な効果を約4.1兆円とし、総額で6.4兆円と試算している。

 また、松井知事はカジノを含めた統合型リゾート(IR)を夢洲に誘致する意向で、今後、「カジノを中心とした統合型リゾート(IR)を推進する法案」(カジノ法案)が可決されれば、大阪万博の開催を経て夢洲で統合型リゾート施設を建設する流れを想定しているようだ。

●候補地の此花区はUSJとの相乗効果も

 夢洲が位置する大阪市の此花区自体はこれまで、国内でも知名度が低い地域だったが、周辺にはユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)があり、国内外から多くの観光客が訪れるなかで知名度が向上、万博誘致に成功すれば、相乗効果も期待される。ただ、夢洲での問題点は、大阪五輪誘致でもネックとなった交通アクセスの悪さだ。これについては大阪市営地下鉄中央線やJR西日本 <9021> の桜島線、京阪ホールディングス <9045> の京阪電鉄中之島線の延伸が検討されており、実現すれば大阪駅から短時間での移動が可能なる。JR西日本や、京阪の鉄道運営会社に加えて、仮に新線の建設が決定すれば鉄建 <1815> など鉄道工事会社も恩恵を享受することになる。京阪HDについては、USJのパートナーホテルとして桜島線のユニバーサルシティ駅前にホテル京阪ユニバーサル・タワーとホテル京阪ユニバーサル・シティを運営しており、夢洲の開発によりホテルの集客増が期待できる。

 万博会場整備では、建設会社なども恩恵を享受することになるが、三精テクノロジーズ <6357> [東証2]は1970年の大阪万博で、エレベーターやエスカレーター、オートロード(動く歩道)をはじめ、舞台機構やジェットコースター、急流すべりなど、各種遊戯機械を多数提供。その他、モントリオール万博や、つくば博、21世紀都市博、横浜博、国際花と緑の博覧会、愛・地球博での実績もあり、今回も受注への期待が高まりそうだ。

●開催後のカジノ誘致でも思惑

 加えて、万博開催後の跡地利用として想定されているカジノを含む統合型リゾート誘致が大きく前進する可能性もある。カジノ法案については、ギャンブル依存症を理由にこれまで慎重だった公明党が、今月11日に審議入りを容認することが伝えられた。その後、12日にはカジノ解禁を目指す「国際観光産業振興議員連盟」(通称IR議連)総会が国会内で開催され、カジノ法案の今臨時国会での成立に意欲を見せている。大阪万博の開催とその後のカジノリゾート整備が現実化すれば、此花区に本拠を置く企業やカジノ関連銘柄にも再度注目が集まる可能性がありそうだ。

 此花区の関連では櫻島埠頭 <9353> [東証2]の株価が大きく上昇した。カジノの絡みでは、大阪市本拠の貨幣処理機器大手でゲーミング市場(カジノ)向けで欧米において絶大な地位を誇る日本金銭機械 <6418> が、初期投資のイニシャルビジネスや運営ビジネスともにメリットが大きい。大阪市西区本拠のくろがね工作所 <7997> [東証2]はカジノ推進団体「IR*ゲーミング学会」の会員で、付帯設備などで受注拡大が期待される。スロットマシンでコナミホールディングス <9766> 、カジノ向け専用遊技機などでセガサミーホールディングス <6460> 、メダル両替機、計数機、メダル計数機製造最大手のオーイズミ <6428> などカジノ関連も大阪万博の誘致進展とともに注目しておきたい。

【2016年10月24日20時00分 株探ニュースから抜粋】

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